このような心配や不安はありませんか?
- ●自分が亡くなったら、相続で争いが起きそうなので、準備したい。
- ●遺言を残したいが、作成の方法がわからない。
- ●老後の面倒を見てくれた子どもに多くの財産を残したい。
- ●元気なうちに相続のことをきちんと整理しておきたい。
遺言書を作成するメリット
遺言とは、自分の最終の意思(とくに財産の処分について)を死後に実現するため、文書に書き遺した最終の意思表示のことをいいます。
そして、その遺言が記載された文書を遺言書といいます。
遺言書を作成するメリットは、遺留分の問題は残るものの、遺言者が自らの財産の処分について自らの意思で決めることができるという点にあります(被相続人の意思の尊重)。
例えば、介護をしてくれた等の何かしらの事情で特定の相続人に多く相続させたいとき、遺言書を書くことで、その意思を実現することができます。
法定相続分と違った割合で相続分を決めることや(相続分の指定)、自分が亡くなった後に遺言書の内容を具体的に実現してくれる人を指定すること(遺言執行者の指定)、さらには、遺産の全部または一部を相続人や相続人以外の者、あるいは法人に与えること(遺贈)などは遺言でしかなしえません。このような場合は、遺言書を作成することは必須となります。
なお、相続人の一人から虐待や重大な侮辱を受けたことを理由に、その相続人の相続資格をはく奪すること(廃除)や認知などは、生前に行うことができますが、生前に行えなかった場合でも、遺言によって行うこともできます。
ただ、廃除を遺言で行う場合は、遺言執行者のみが手続を行えますので、遺言で遺言執行者を指定しておくべきでしょう。
遺言書の種類
遺言書の方式として、民法上は多数規定されていますが、一般的には、自筆証書遺言か公正証書遺言のいずれかの方式をとることがほとんどです。
■自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言者が手書き(自書)で行う遺言です。
遺言は、利害関係人に多大な影響を及ぼすものですし、死後に遺言者の意思を確認することができません。
そのため、その形式が法律によって厳格に定められ、それに反した場合は遺言としての効力は生じないこととされています。
また、自書であることが求められ、ワープロやパソコンで作成した遺言も自筆証書遺言として認められません。筆記用具に制限があるわけではないですが、偽造を防ぐためにも、鉛筆ではなくボールペンや万年筆で書くことが望ましいでしょう。
自筆証書遺言はその保管に問題があるほか、家庭裁判所で、遺言の存在、形式や内容を確認して、遺言書の偽造などを防止するための「検認」という手続きを経る必要があり、かえって煩わしいというデメリットがあります。
※なお、平成30年7月、民法および家事事件手続法の一部が改正されました。この改正法が施行されると、財産目録については、自署である必要はなくなり、パソコンなどで作成することもできるようになります(自筆証書遺言の方式緩和)。この自筆証書遺言の方式緩和に関する法律は、平成31年1月13日に施行される予定です。
また、これまで自筆証書遺言は、自宅で保管せざるを得ないなどの実情があり、その結果、紛失や改ざんの恐れがありましたが、これを法務局で保管してもらうことができる制度が創設されました(法務局における遺言書の保管等に関する法律)。同法律の施行日は未定です。
この法律が施行されれば、紛失や改ざんの恐れがなくなります。しかも、法務局で保管してもらった遺言は、上でデメリットと指摘した「検認」の手続きを経る必要がなくなります。
■公正証書遺言
自筆証書遺言に対し、公正証書遺言は、公証役場において公証人の面前で遺言者が遺言の内容を口頭で述べ、それに基づいて公証人が文章にまとめ、公正証書として作成される遺言です。
公正証書遺言は、2人以上の証人の立会いが必要であり、公正証書作成の手数料がかかるものの、公証人が関わるため形式不備で遺言が無効になることはまず考えられません。
なお、作成された公正証書遺言の原本は公証役場において保管されますから紛失などのおそれもありませんし、自筆証書遺言で必要とされた「検認」も不要です。
弁護士がサポートするメリット
弁護士に依頼すると、弁護士は主に下記の流れで業務を行います。
- 1 依頼を受ける
- 2 現在依頼者が保有している財産を調査
- 3 遺言書の種類に応じて、遺言書の案の作成や公証役場とのやりとりおよび日程調整
- 4 遺言書の中で遺言執行者として弁護士が指定されていれば、その弁護士が遺言執行者として遺言を執行
また、法律に定められている形式に沿って遺言を書いたとしても、その内容に疑義が生じたり、その遺志に反して紛争が生じてしまったりする可能性はゼロではありません。弁護士に相談をすれば、どのような文言を遺言書に入れればよいか、どのように書けば将来の紛争を防止することができるか、などの観点から、アドバイスをすることができます。
さらに、遺言書を作成する際、弁護士を遺言執行者に指定しておけば、自分が亡くなった後の遺言の執行も安心です。
弁護士であれば、万が一争いごととなってしまっても代理人となることができますし、遺言作成時から十分に事情を把握しておりますので、一貫したサポートが可能です。
大切なご家族が、ご自身の死後に争うようなことにならないように。
お元気なうちから、一緒に準備を進めてまいりましょう。