相談

 私は、小さい会社ではありますが、ある会社の代表者をやっております。私には、子どもが二人おりまして(長男・長女)、将来的には、長男を後継者にしたいと考えています。ただ、現時点では、長男は経営者としての経験が少ないので、経営者として成長するまで、しばらくは私が経営を続けていきたいと思っています。

 ただ、認知症や死亡などによって、私が経営に携わることができなくなった場合に、会社の経営に支障が生じてしまうことは避けたいです。
今のうちにできることはないでしょうか。

回答

 委託者をご本人、受託者をご長男、第一次受益者をご本人、第二次受益者をご長男とご長女、信託財産を自社株式とする信託契約を締結することが考えられます。そして、議決権は、委託者の指図によって、受託者が行使することとします。

 そうすることで、ご本人がご健在の場合には、ご本人が経営を続けていくことができ、ご本人が認知症などで判断能力が不十分になったり、亡くなったりした場合には、ご長男が経営を引き継ぐことが可能になります。これによって、会社の経営に支障が生じてしまう事態を避けることができます。

 そして、会社からの利益(配当金など)は、ご長男とご長女で平等に受けることができますので、ご長女の利益にも配慮することができます。