相談

 私には、夫と子ども2人(長女及び長男)がおりましたが、夫と長女はすでに亡くなっています。長女には、子どもが1人おりまして、これから小学校に入学する年齢です。長男は、自分は遺産はいらないから長女の子どもに渡してやってくれといってくれています。

 そこで、遺産といっても預貯金しかありませんが、それをすべて孫に相続させる遺言書を作成しようと考えています。孫は幼いですから、孫の財産は、長女の夫が管理することになろうかと思います。ただ、長女の夫は昔からお金にだらしないところがあって、預貯金を孫のために使ってくれるかが不安です。きちんと孫のために使ってもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。

 
 

回答

 遺言によってすべての預貯金を孫に相続させることは可能です。ただ、その管理について、親ではない第三者に任せたい場合は、信託を利用することが考えられます。

 具体的には、委託者をご本人、受託者を長男、第一次受益者を委託者、第二次受益者を孫とする信託契約を締結しておくことが考えられます。これによって、預貯金の管理を長男という信頼できる人に任せ、ご本人が生存中はご本人に定期的に生活費などを振り込んでもらい、ご本人が亡くなった後は孫に定期的に生活費や教育費などを振り込んでもらう仕組みを実現することができます。

 こうすることで、長女の夫が一挙に多額の預貯金を使える状態を避けることができます。この契約は、遺言と同様、委託者の死亡時に受益者に委託者の財産を相続させるような仕組みになっていることから、遺言代用信託と呼ばれています。